思い出の本
この間とある古本屋さんで偶然見つけました。
続・住宅巡礼 著 中村好文
住宅作家の中村好文さんによる世界の名作住宅のエッセイ。
学生時代に第一冊目・住宅巡礼で好文さんのスケッチに出会って以来ずっとファンで、好文さんの本を色々と集めてました。ただどうしても手に入らなかったのが、この本。なぜなら2002年に販売されてからすぐ?販売中止になり幻の本になってしまったからです。2010年に一部内容を差し替えて「住宅巡礼・ふたたび」として発売されました。
そもそも「住宅巡礼」や「住宅巡礼・ふたたび」は、元々はインテリア雑誌コンフォルトに連載されていたものを書籍としてまとめたもの。
なかなか再販されないことに業を煮やした私は、掲載号のコンフォルトを十冊ほど買えば、全て読むことができると考え、コンフォルトを集める日々が始まりました。しかし、その時にはすでにコンフォルトも古本になってましたので、なかなか思う様に集まりません。そのうちに他の好文さんの書籍も発売され、さらに再販が決まった頃にはほぼコンフォルトもほぼ揃っていて、自分の中で住宅巡礼は一区切りつき購入に至らず...
本屋さんの棚にこの本を見つけた時、目を疑いました。手に取り、値段を見て、思ったより高いのでレジに持っていくか悩みました。笑
ただ、やはりこういうものこそ出会いだといい聞かせ購入し、奥さんに報告、いい買い物したねと喜んでくれました。奥さんも好文さんのファンで良かった...
この本が手元にあることを素直に嬉しく思います。
しかも帯付き!
常楽寺さんをリサーチ中...
古建築ガイドの第二弾のリサーチのため、大船の常楽寺さんにお邪魔してきました。大きなお寺ではないですが、通りから奥まっているので静かで、庭の水の音が、心地よくとてもよい空間です。
建築も周囲の緑とも調和して派手さは無いが、力のある、禅寺らしい凛とした建築空間を作り出しているように感じました。
ただちょっと疑問に思うのが、平成の修理時に屋根を茅葺から銅板葺きにしたらしいのです。でも、山門はいつからかは不明ですが、元々は瓦葺きを茅葺に、文殊堂も瓦葺きだった模様。防火やメンテ上銅板葺きにしたようですが、現代の効率や現代の解釈で変更したのはもったいないような気がします。しかも他の二棟が茅葺なら一棟だけ防火対策してもあんまり意味ないんじゃ...個人的には茅葺の建物が三棟ならぶ姿を見てみたかったです。
それと今回のシリーズで二回目を常楽寺さんをテーマとしたのは英勝寺さんとゆかりがあるからです。先程触れた文殊堂は元々は英勝寺さんにあった建物でした。なぜ移築されたかはこれからしらべます...
それと常楽寺から歩いて10分かからない場所に立派な切通しがあります。これぞ切通しって感じで痺れました。
英勝寺
湘南古建築ガイドの第一弾は鎌倉の英勝寺を紹介する。
まずこのガイドの使い方であるが、画像をクリックして両面印刷頂き、四つ折りにして使ってほしい。栞のようにガイドブックに挟んで使ってもらうことを考えたからだ。
もちろん、タブレットなどでご覧頂けるようにも作っている。
表面は英勝寺というタイトルと基本情報、そして英勝寺や創建したお勝の方にちなんだ場所のマップを上に配置し、境内の断面図を大きくレイアウトした。
断面図は1/100とし普通の定規で測れる縮尺である。ぜひ絵の色んな所を測ってみて欲しい。
裏面は境内全体の俯瞰マップとなっている。各建物の魅力や特徴の解説を加えている。
あとがきとして、英勝寺をまとめていくにあたり、英勝寺のある扇ガ谷についても調べた。英勝寺に影響が大きいのだが、扇ガ谷全域に横須賀線の開通が影響を大きく受けていることがわかった。横須賀線は北鎌倉の円覚寺の境内を分断していることは有名だが、英勝寺は横須賀線によって敷地が削れてしまったことがわかった。また英勝寺だけではなく、昔の古道や、お勝が架けた橋も失われているように思う。またこれは余談だが、横須賀線によって海軍軍人の別荘の多くがこの扇ガ谷に集まったようだ。
鎌倉は関東大震災により多くの文化財が失われてしまったが、横須賀線の開通、そして明治維新時の廃仏棄釈もかなりの影響があったようである。既に歴史化され今更言っても栓の無いことだがせめてどれか一つだけでも避けれれば英勝寺や鎌倉の歴史が変わった気がする。
だが、そのような歴史に翻弄されながらも、先人の努力によってまだ多くの文化財が残されている。かつては非公開だった寺院や建築物も近年公開されつつある。このガイドが英勝寺に行ってみようと思いきっかけになってくれればうれしい。
湘南古建築ガイド(仮)
新しいプロジェクト...というと大げさですが、一つの試みをしてみようと思います。私の設計活動エリアである湘南には鎌倉を中心にたくさんの歴史的建築物があります。その建築物を紹介するガイドを作ろうと思います。
元々日本史が好きということもあり、学生の頃から京都に通いたくさんの古建築を見学し、それは今でもライフワークの一つです。そのなかで写真や、実測したスケッチ、集めた資料等がそのまま整理することなく埋もれてしまうのがもったいないと考えていたところ、今まで集めた資料をまとめて、その建築物のガイドマップを作ればよいのではないかと考えるに至りました。
いわば私の忘備録ともいえるのですが、その忘備録を知人に見せたところすごく面白いとお褒め頂き、ならばPDFにしてこのブログからダウンロードできるようにし誰でも街歩きに利用できるようにしようと考えました。
なお、あくまでも歴史家でもないので、掲載の歴史的な解釈や見解は個人のものということを付け加えておきます。利用した人から『こうした方が使いやすい』『これは見解がおかしい』などの意見はコメント欲しいです。また、一緒に制作してくれる人、リサーチに付き合ってくれる人、原稿を書いてくれる人がいるととてもうれしいです。笑
またこのシリーズは湘南の建築物を中心にスポットライトをあてていきますが、
どうしても鎌倉エリアが多くなると思います。この町にこんな建物があるよ等の情報も教えて頂くと嬉しいです。
前書きが長くなりました。
第一回は鎌倉の英勝寺さんを紹介します。3月18日アップします。
次号は大船の常楽寺さんを7月中旬を目標に現在リサーチ中です。
次々回は未定ですが鎌倉市が続いたので別の街の、宗教建築ではないものを扱いたいと思います。
それではお楽しみに。
熊本
熊本に行ってきました。震災からやっと来れたわけですが、街中はほとんど震災前と変わりないように思えました。
ただお城は地震から1年経ってもまだ震災直後と変わらないような姿に言葉が出なかったのです。ただこんな状態でも熊本城の格好良さや風格を保っているのはすごく、このような姿も愛しいと思ってきました。笑
西南戦争の直後もこんな感じだったのかなあとか、色々思いをはせてきました。
そしてやはりいろんな人に愛されているなあとお感じたのは熊本現代美術館で開催している熊本城×特撮美術の展覧会。模型のレベルに圧倒されます。愛してなければここまで作れないです。下の写真は特撮の模型。写真が下手で上手く伝えられませんが、圧倒されます。
そして地震で倒壊した阿蘇神社の楼門もありました。こちらも在りし日の姿を想像させ感動しました。
熊本城の凛々しい姿は、地震から立ち上がろうとする熊本の姿、
阿蘇神社は亡くなられた方への鎮魂に感じました。
お近くの方、熊本へ行かれる方、ぜひ現美へ足を運んでくださいませ。