鎌倉石をレスキューしたお話し

大好きな石、鎌倉石。

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上の写真のように、人が歩くと簡単にすり減って、古刹感を感じさせます。

今は採掘されておらず幻の石材なのです。

鎌倉はもちろん周辺の藤沢や逗子葉山でも目にすることができます。

石としては柔らかく、加工がしやすい反面、脆く石段に使うと削れて丸みを帯びてきます。その独特な風合いが鎌倉の景色を作ってきたと思います。鎌倉の寺社仏閣でも当然鎌倉石が使われており、修復工事の際は鎌倉石はもう使えないので代替品を使わざるをえない希少な石なのです

 

そんな鎌倉石が自宅の近くに土留として使われていて、そしてその上に松の木がある素敵な街路空間の場所があったのですが、そこの建物が壊されることになり松の木が伐採され、そして鎌倉石も壊されているのを見かけました。

 

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民間の土地なので外部の人間は何も言えませんが、せめて鎌倉石だけは救いたいと思い、現場の作業員さんにお話しすると快く持っていっていいよと言って頂けました。ただ一応、もらう前に鎌倉市役所に電話して事情を説明、石をストックしていたり、保護活動されてる方はいるか聞いてみたのですが答えは無いと。

 

その回答にも残念な思いをしましたが、とりあえずは拾える重さのものだけ頂いてきました。知人にも声をかけていくつか少しでもレスキューできるように。。。

 

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こちらが回収した石たち。

もっと大きいものがあり、そちらも救出したかったのですがとても持てる重さでなく泣く泣く諦めました。それに伐採された松とともに昔からある風景が失われたのですから。そんな悲しい思いもある一方、念願の鎌倉石を入手できたことに嬉しい気持ちもあります。手とノミの跡もあり、本当に味わい深く見ていて味わい深いです。我が家に庭があれば使い方を考えるのですが、マンションなのでどう再利用するか悩み中です。