設計事務所への断り方 ③

設計事務所への断り方、完結編です。

(※実際に起きたことと時間軸は下の記事と少し異なるのですが内容を分かりやすく&様々な配慮を考慮し書いています。)

 

運命の電話...それはタイトル通りお断りの電話でした。

Aさんからは『両親が紹介してくれた設計事務所にお願いすることになった。そこでかかった経費はお支払いしたいので費用を教えて欲しい』というものでした。

正直、予想外のことで頭が真っ白になり何かしゃべって電話を切ったことを覚えています。

非常にショックではありましたが、Aさんがメールではなく電話でお断りを頂いたこと、さらに経費を支払うと仰ってくれたことには感謝です。経費については一か月以上プロジェクトに集中してきましたが、正直に人工で計算するとかなり高くなってしまいますので週の半分くらいの大工さんの人工分(笑)で打診しました。すると今度は不動産屋さんから一本の電話が...

不動産屋さん『Aさんが高いと言っている、Aさんとしては経費とは電車代くらいだと思っていたようだ...』

さすがに言葉が無く...

私『元々サービスでしたので、請求するつもりはなかったが、Aさんのお申し出なので請求させて頂いた。ただやっぱりそう仰るならば、最初に戻りお支払い頂く必要はないです』

不動産屋さん『それでは角が立つのでAさんと相談する。私に一任してほしい』

私『お任せします(投げやり)苦笑』

というやり取りの数日後、最初にご提示の金額の半額で入金がありました。

 

そして、さらにしばらく経って不動産屋さんから教えてもらったことは、私と同じタイミングで別の設計事務所に設計提案を依頼していたことでした。しかもそちらには私みたいに一週間で提案して欲しいではなく1か月以上の時間と提案料までお支払いしていたと。苦笑

そしてそれは不動産屋さんも知らなくAさんが私へのお断りの電話をする前日くらいのタイミング...

 

 

以上が今回の顛末です。

今回のことでたくさんの教訓を得ましたが、私が最初の顔合わせの時に、競合他社がいるか確認しなかったのが甘かったのが一番の反省です。そうすれば立ち振る舞い方は違ったものになったでしょう、少なくとも文化庁への申請は費用を頂くべきでした。

一方で、今回は経緯をAさんから聞くと無料&一週間で提案という条件で受けてしまった判断はやむをえなかったと今でも思います。ただ競合がいるならもちろん対応は異なりましたが...

 

最後に、この一連のブログのタイトルにある断り方についてです。

もし住宅をお考えで建築家やデザイナーに設計依頼し、やむを得ずお断りする際には何か特別なことをするのではなく、なぜ断るのか理由を明確にお伝え頂くのが良いと思います。もう一つ付け加えるなら感謝の言葉をかけてあげて下さい。笑

というのは上手に関係を終えるのが重要だと考えているからです。一度採用を決めた建築家や会社と計画を進めたとしてもその後のフェーズで関係が悪くなり設計契約解除という事例を何度も目にしたことがあります。そこで新たな建築家を探すよりは一度お断りした方にまず相談するのが、経緯も知っているし適当だからです。

そのためにも良い関係で終わらせるのが良いと思います。(おわり)